
上杉 隆
第20回
代議員の過半数を獲得したマケイン氏が、本選挙での共和党の正式な指名候補となることが決まった。当初、圧倒的に不利な状況を指摘されていた共和党だが、これでいち早く臨戦態勢を整えることになった。

第19回
イージス艦「あたご」衝突事故で、石破大臣は「被害者の家族から辞めないでくれと言われた」と、原因究明こそ責任と強調する。だがそれは、隠蔽工作を行わない前提に立った上での家族らの依頼であろう。

第18回
キューバのカストロ議長が引退を表明した。後継は実弟ラウルが既定路線となっている。このラウルは兄と比べると極めて不人気で、その最大の理由は、革命軍事大臣としての強権的な政治姿勢にあったという。

第17回
ガソリン税暫定税率は32年間維持され続けている。与党はさらに10年の再延長を求める法案を提出。延長法案が成立すれば、実に42年間、つまり、約半世紀近くにわたって“暫定”が続くことになる。

第16回
今回の大統領選でも、日本はアジアにおいて米国の唯一のパートナーであるかのような報道が一部で流されている。だが、それは現実とはあまりにかけ離れている一方的な「対米片想い」に過ぎない。

第15回
昨年11月、CNNはユーチューブと共催で大統領討論会を開き、各陣営もユーチューブ内に自らの演説をエントリーし始めた。まもなく始まるスーパーチューズデーの模様もユーチューブで全世界に伝えられるだろう。

第14回
NHK記者らによるインサイダー取引疑惑は、またしてもNHKの「正体」を世間に晒した。筆者の取材でも、インサイダー紛いの行為を繰り返したNHK職員は複数いる。3人だけの「犯行」とは到底信じられない。

第13回
今週、第165回国会が閉会した。振り返れば、なんとまぁ、騒々しい臨時国会であったことだろうか。今後の政局を分析する上でも、この「未常識の世界」(中川元幹事長)は重要だ。

第12回
薬害肝炎救済法案が今週中に成立する。福田首相が「政治決断」を誇示するのはいいだろう。だが薬事行政の闇を暴き、再発防止策を講じることこそが首相に求められる真の「政治決断」ではないか。

第11回
銀座四丁目の目抜き通りに、世界のダイヤモンドビジネスを1世紀以上にわたって支配してきたデビアスグループが出店。だが、ダイヤモンドをめぐる歴史は必ずしも美しいものでなかった。

第10回
じつは小泉時代、財融資金特別会計から約12兆円を取り崩している。それでもなお20兆円近く残っており、外為資金特別会計を合わせれば、中川秀直議員の指摘するとおり、約40兆円の「埋蔵金」が存在する。

第9回
かつて富士山は噴火をしない火山に認定されていた。行政とメディアが共犯関係を結び、知らせなければならない情報を国民から覆い隠す。こうした行為は富士山の事例に限らず、現在の政治状況にも溢れている。

第8回
保守第三極を目論む「政策研究会(仮称)」が設立総会を開いた。が、前評判とは裏腹に、会合自体はどうにも期待はずれの感が強かった。安倍前首相は秘書の代理出席すらせず、麻生前幹事長も出席を見送った。

第7回
ミシュラン東京によるホテルの「格付け」にはいくつかの疑問がある。ミシュランの説明によれば、ホテルの格付けは「快適さ」を基準にしているという。だが、それではあまりに漠然としすぎてはいまいか。

第6回
今日から、外国人入国に際して、指紋採取と顔写真撮影が義務付けられる。テロリストの入国を未然に防ぐ点では、確かに効果的かもしれない。だが、それで百パーセント安心というわけでもない。

第5回
週刊朝日に書いた鳩山法相アルカイダ発言の真実性に関する記事に対して、マスコミは沈黙を決め込んでいる。鳩山糾弾報道での自らの誤りに真摯に向き合えず、事実から目をそむけているのだ。

第4回
小沢氏の記者会見は、組織トップの辞任会見としては最低限の水準にすら到達していない。むしろ、考えうる“最低”の要素をふんだんに含んでいる。小沢代表にリーダーの資格はあるのか?

第3回
捜査権のない国会を逆手に取り、ゴルフ接待など公務員倫理規定違反のみ認め、贈収賄につながる発言は一切拒否という戦術は成功した。が、守屋氏の試練はむしろこれから始まる。

第2回
守屋防衛前次官にゴルフ接待を繰り返してきた防衛専門会社の山田洋行だが、実は、その名前が国会の証人喚問で取りざたされるのは今回が初めてではない。

第1回
安倍前首相が入院し、新首相が決まるまでの12日間、一時も首相臨時代理が置かれることはなかった。その希薄な危機意識には、率直に驚きを禁じえない。
