今週(1月15日)、第165回国会が閉会した。
振り返れば、なんと、まぁ、騒々しい臨時国会であったことだろうか。福田首相自身も、一昨日(火曜日)の記者会見で、その異常性について言及している。冒頭から、騒動続きの国会であったことは確かだ。
昨年9月12日、取材を通じてある程度の予測はついていたものの、安倍前首相のあの突然の辞任には、筆者も驚きを禁じえなかった。『官邸崩壊』は免れないとは思っていたもの、新テロ特措法の成立を宣言した所信表明演説の直後の辞任など、いったい誰が想像できただろうか。
すでに、遠い過去の話のようになっているが、じつは、あの前首相の「辞任劇」は、今回の臨時国会の中で起きた出来事だ。忘れそうになるのは、それほど、この国会がその後もドタバタ続きだったからであろう。
臨時国会の終了によって、福田政権はとりあえず一つ目の関門を抜けたようだ。今後の政局を分析する上でも、この「未常識の世界」(中川秀直元幹事長)は重要だ。最初にこの越年国会を軽く振り返ってみる。
新テロ特措法のための国会
辞任直後の自民党総裁選では、本命の麻生太郎候補が、「麻生クーデター」によって消えた。実際は、8派閥の談合による福田支持が麻生支持を上回っただけなのだが、陳腐な「陰謀論」が政治闘争に花を添えた。
福田政権の誕生は、自民党の延命措置であったが、いざ国会が再会すると、やはり7月の参院選敗北の後遺症が大きく響く。
参議院で野党が過半数を占めるという「ねじれ現象」によって、審議は事実上ストップした。福田政権は、11月までの法案通過がゼロという異常事態を余儀なくされる。
その状況を打破するため、「福田=小沢」による党首会談が開かれた。しかし、唐突な「大連立」構想が持ち上がったため、与野党の関係はかえって膠着化した。会談自体が否定されたうえに、小沢代表の辞任表明などの「茶番」もあり、「大連立」構想が陽の目をみることはなかった。