
山崎 元
第165回
1月27日に米系格付け会社S&P(スタンダード&プアーズ)が日本政府の長期債務の格付けをAAからAA(-)に1段階(ワン・ノッチ)格下げした。

第167回
名古屋市の河村市長が仕掛けたトリプル選挙は、「名古屋革命」と呼びたくなるくらいの河村氏側の圧勝に終わった。河村氏への賛意もさることながら、現政権の政権運営に対する批判が相当に深刻であることが覗える。

第164回
獨協大学で担当している「金融資産運用論」の試験が先日終わった。採点してみると、まずまずの出来だった。受講者の中には今学期で卒業する学生も多い。彼らへのはなむけの意味も込めて、若い社会人がおカネに関して注意すべき点を7ヵ条にまとめてみる。

第166回
小沢攻めは、菅政権側からは、これ以上手が続かない状況だろう。それどころか、国会運営でも支持率でも窮地の菅氏は、すでに詰んでいるのではないか。しかし政治は一人の王様が詰んでも、別の人物が王将になってゲームが続く。「三手の読み」の先を勝手に読んでみよう。

第163回
これはまずいな、と思った新聞記事をご紹介する。「日本経済新聞」を購読されている読者は、1月14日の朝刊1面に掲載された「個人マネー 利回り重視」と題する記事を見てほしい。

第165回
与謝野大臣が、将来的に定年の延長と合わせ年金の支給開始年齢の引き上げが検討課題になるとの考えを示した。これが内閣の方針になるのなら、与謝野氏が実質的にこの内閣の総理大臣なのではないかと思わせるほど大きな政策課題だ。

第162回
今年も「インデックス投資ナイト」が開催された。筆者はパネルディスカッションのパネラーとして登壇したが、チケットは早々に完売し(出席者総数は123人)、聴衆の皆様には、熱心に話を聞いていただいた。

第164回
今回の内閣改造は小規模なものだが、何といっても注目されたのは、たちあがれ日本を単独で離党して経済財政担当大臣になった与謝野馨氏の入閣だった。彼の入閣は、現在の日本の政治状況を象徴する問題点を複数孕んでいる。

第161回
一般論として、運用に対して目標を持つことは悪いことではない。ただ、利回りや価格のかたちで運用の目標を持つことになると、目標がしばしば悪影響を及ぼす。

第163回
12月某日、筆者のオフィスに、大手証券会社の若いセールスマンがやってきた。やる気は十分だったが、彼のような青年がもう少し顧客のためになるマシな商品を売ることが出来るような運用業界になって欲しいものだ。

第160回
本欄でも何度か触れた個人投資家で著名ブロガーである水瀬ケンイチ氏と共著で書いた本が先日発売された。タイトルは『ほったらかし投資術』(朝日新書)だが、運用は、どの程度「ほったらかし」でいいものなのか。

第159回
ある投資信託会社のセミナーにお邪魔したら、お客さんとの質疑応答の最後に「危ない金融商品のセールスの特徴を教えてください」と質問された。予想外の質問だったので、話しながら答えを考えた。

第162回
先入観を捨てて考えてみると、ベーシックインカムは富の再配分の仕組みとして、またいわゆるセーフティーネットとして理想に近い制度だ。しかし、率直に言って、ベーシックインカムは日本で実現しないだろう。

第161回
政治のリーダーシップがなくても、国民が体制の現状維持を望んでいて、社会が安定していることは、日本の強みなのではないか。社会に強烈な現状維持志向と安定性があることが、実質的な政治不在を可能にしているとも言える。この強みの意味は、特に経済の上では大きい。

第158回
最近、個人投資家のサロン的な会合が話題になることが増えた。筆者の出席する会は、高くない会費制で、ビールなどを飲みながら、出席者同士が思い思いに会話することを中心に行われている。

第160回
予算における政治主導は、後半は形骸化したものの経済財政諮問会議が一枚噛んでいた小泉政権以降自民党政権の方が民主党政権よりも進んでいた。しかも今回の予算編成をめぐる議論には、経済常識すら欠如している。

第157回
年金基金でアクティブ運用の運用会社を多数雇うと、個々には特色のある会社であっても、運用資産の合計は市場平均と似たものになる。事は運用に限らないが、資産運用では特に、「全体で」最適を考えることが重要だ。

第159回
近年、主にネットの普及によって、重要情報を持った個人はその情報を広く一般に周知する手段を持つようになった。日本にはまだウィキリークスのような情報発信者は存在しないが、ジャーナリズムはもはや一部の既存メディアの独占物ではない。

第156回
個別の株式でも、投資信託でも、投資家は自分がそれをいくらで買ったかという買値を忘れることはほとんどない。これは、素人はもちろん、運用のプロでも同じだ。

第158回
大学4年生の就職内定率は、10月1日現在、たったの57.6%だという。これは、金融危機の直撃を受けていたはずの昨年同時期よりも4.9%も悪い。状況を改善するには、「新卒」という区分の廃止、加えて何よりも正社員解雇のルール確立が必要ではないだろうか。
