
山崎 元
第188回
米ボーイングの最新型旅客機が、羽田空港で公開された。35%が日本製の部品ということもあって、日本企業の実力が示されたといえよう。しかし、このビジネスの中で本当に儲かっているのは誰なのだろうか。

第184回
自社株で資金運用をしていると、自社の業績が悪化したときには、ボーナス・給料が減少するとともに自社株に投資した資金の価値も下がる。最悪の場合は、仕事も収入も資産も同時に失うことになる。人生におけるリスクが集中する。

第187回
復興構想会議の必要性について筆者はそもそも懐疑的だったが、提言の中身が優れているなら、敬意を払うつもりでいた。しかし、その中身はこの会議が時間の無駄であったことを示す証拠物と呼ぶべき駄文だった。

第183回
ファンドマネジャーとコンサルタント、あるいは運用会社とコンサルティングファームであってもいいが、両者はよく似ている。

第186回
「PBR1倍、それでも買えない日本株」と題する記事が日経新聞電子版に掲載された。平均で1倍ならば、PBR1倍割れ銘柄は相当数あるということだ。投資家はそうした企業についてどう考えるべきなのだろうか。

第182回
確定拠出年金「日本版401k」は、2001年10月に始まった。今年の4月末で、企業型の加入者が約371万人、個人型の加入者は約12万人と、拡大はしているのだが、普及のペースはゆっくりだ。

第185回
国民が、あたかも会社が新卒社員を採用するように首相を「採用」するとするならば、このスペシャルな採用枠の社員に対して、能力・経験それぞれにさまざまな条件を付けるのが普通だろう。では、日本の首相にはどのような能力・経験のチェックがあると望ましいのか。

第181回
ダイヤモンド社から5月に刊行されたおカネに関係する本を2冊ご紹介しよう。たまたま2冊ともタイトルに「30代」と付いている。『30代で知っておきたい「お金」の習慣』と『30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと』である。

第184回
民主党にも自民党にも公平で、復興だけに注力し、時期が来たら辞めてくれそうな人となると、両党に対して距離のある共産党の志位委員長辺りを推薦したくなるところだが、さすがに現実性がなさ過ぎる。現実性のある候補は誰か。また、そもそも許容できる大連立の条件とは?

第180回
株価の高低を判断する尺度は、これまでいろいろなものが考えられてきたが、主なものは、配当利回り、PER、PBRの三つだ。

第183回
今、多くの資金運用者がため息をついたり、対策会議に追われたりしているのではないか。原因は、東京電力の債券だ。東京電力債は、かなりの数・金額の運用資金の中にあって、これまで投資に適格な対象だったが、現在そこから外れたか、外れつつある。

第179回
あなたはバリュー型ですか、グロース型ですか?──ファンドマネジャーに尋ねると、長時間に及ぶ熱弁を聞くことになるだろう。

第182回
日経新聞に株式投資について考えるきっかけになる記事が相次いで二つ載った。一つは「株、『長期投資の時代』は終わったか」で、もう一つは「会社予想頼らぬ銘柄選び」だ。率直に言って、前者は良記事であったが、後者は首を傾げざるを得ない内容だった。

第178回
株価が大幅に下落する(上昇でもいいのだが)出来事があると、テレビは証券会社の株価を表示するボードの前で困った顔をする人にインタビューするのが定番だ。若い頃の筆者は、株価ボード否定派で、ボードの前でたむろする先輩社員を軽蔑していた。

第181回
EB債に限らず、個人を対象とした「仕組み商品」の販売は、いわゆる日本版金融ビッグバンで認められるようになったものだ。しかし、金融業者に合法的な騙しの機会を与える規制緩和は明らかに行き過ぎだったのではないか。

第177回
資産運用の仕事は、もともと上司と部下での分業になじまない種類の仕事だろう。一つの運用資金に対して、複数の価値判断を取り込むことは不可能ではないが、合理的な実行プロセスをつくることは簡単ではないし、現実のビジネスとして考えると、商品の性格をアピールしにくい。

第180回
我が国の電力株は、旧来からディフェンシブ銘柄としてイメージされることが多かった。しかし、東電、中電ともにこれだけ不安定な動きを見せられると、もうそう呼ぶことは不適当なのではないかと思えてくる。今の電力株には、どういった考え方で投資の判断を行うといいのだろうか。

第176回
東日本を不幸な大震災が襲い、福島第一原子力発電所に事故が起こった。原発事故に関連して、主に東日本の多くの国民が悩むのは、誰が発信するどのような情報なら信じてもいいのか、という問題だ。

第179回
同じ日本の会社の株主でありながら、ライブドアの株主は強制捜査から始まった一連の手続きによって、同社のビジネス価値を大きく毀損され、且つ株式は上場廃止に追い込まれた。片や、東電の株主は、同社が危機に直面する遙か前から会社の生命維持装置装着が予約されているかのような保護を受けつつある。この差は正当なのだろうか。

第175回
競馬の世界は3歳馬の伝統レースが行われる春のクラシックシーズンの真っ盛りだ。吉沢譲治氏の新刊『血のジレンマ』(NHK出版)を読むと、競走馬の種牡馬をめぐる経済がよくわかる。
