稲村 悠
5月19日から先進7カ国首脳会議(G7サミット)が開催される。開催を前に、広島市内には続々と各都道府県警から応援の警察関係車両が集まり、各国の要人警護に向け、緊張感が日ごと高まっている。G7などの主要会議においては、さまざまな脅威が存在するが、その最たる例はテロであろう。

カナダのジョリー外相は5月8日、「在カナダ中国大使館の外交官が、野党保守党議員の香港に住む親族への脅迫を企てていた」とし、カナダに駐在する中国人外交官に対しPNG(好ましからぬ人物/国外退去処分)として国外退去を通告したと明らかにした。

5月8日、白昼堂々と中央区銀座のロレックス専門店に仮面姿の男3人が押し入り、従業員を刃物で脅した上ショーケースをバールで割って、100点以上の商品を奪い逃走した。この事件によって、バールで強盗を行うという典型的な手法が通行人などによって撮影され、SNSで拡散されたことにより、“強盗“という犯行自体が広く社会において具体的なイメージとして認識された。実は現在、強盗事件は流行の兆しを見せている。

中国共産党系メディア「光明日報」で論説部の副主任を務めた董郁玉氏が、昨年2月、日本大使館の職員と北京市内のホテルで会食した際に拘束され、当局からスパイ容疑で起訴されていることが家族の証言で明らかになった。

4月17日、米司法省は、ニューヨークのチャイナタウンにある中国公安部門の出先機関の「非公式警察」運営に関与したとして、ニューヨークに住む男2人を逮捕したと明らかにした。逮捕された2人は中国公安当局者とのやりとりの記録を携帯電話から削除し、司法当局の捜査を妨害した疑いもある。

4月15日午前11時30分頃、和歌山県和歌山市の漁港で、岸田文雄首相が演説しようとした直前に、同会場内において若い男(木村隆二容疑者)が円筒状のものを投げ、大きな破裂音とともに白煙が上がった。会場に集まった人の中にけが人は出たものの、大きな被害はなかった。

先日、中国国内で日本の大手企業アステラス製薬の社員である50代日本人男性がスパイ活動を行った疑いがあるとして、中国国家安全局によって、反スパイ法違反容疑で帰国直前に拘束された。そして、すぐに林芳正外相が訪中し、本件を含む中国国内での日本人の拘束に抗議して早期解放を強く申し入れたが、中国からは「法律に基づき処理する」との回答を得たのみであり、早期釈放に暗雲が立ち込めている。

大手製薬メーカー、アステラス製薬の社員である50代日本人男性が「反スパイ法」に違反した疑いがあるとして、中国国家安全局によって、日本への帰国直前に拘束され、中国外務省がその事実を認めた。

昨年から今年にかけて相次いだ、「ルフィ」らが関与したとみられる広域連続強盗事件は、東京狛江市での強盗殺人事件という凄惨(せいさん)な事件から急展開を見せ、フィリピンに滞在した被疑者らが相次いで検挙された。

来年春に卒業する大学生などの就職活動が3月1日から本格的に始まった。就職活動に挑む学生たちは、ソワソワした長い期間を終わらせようと、最後の仕上げにかかるところだろう。ここで重要なのは、採用側と応募側の完全な合意だ。

「A社と取引をしたい。A社担当者と人脈を構築し、取引を成功させよ」もし職場において、このようなミッションを与えられたら、皆さんならどうするだろうか。こうした非常に難易度の高いミッションがうまくいくかどうかは、諜報(ちょうほう)心理を利用した人脈獲得法が大きく関わってくる。そこで、長く諜報活動の捜査や情報収集を行ってきた公安部外事課元捜査官であり、日本カウンターインテリジェンス協会代表理事である筆者が、スパイが使う諜報心理を利用し、相手方と関係性を深めていくテクニックを解説する。
