留学で経営の視点が学べて
本当に良かった!
株式会社OBG CEO
新日本物流株式会社 副社長(Vice-president)
高校卒業後に留学、ロサンゼルスの短大を経てニューヨークの大学を卒業、その後コロンピア大学院でソーシャルビジネスで修士号を取得。帰国後、父の経営する運輸会社に入社。経営陣として運営に携わりながら社内情報インフラやCIの再構築、また対外的な広報・PR活動などを通じ古い体質の企業イメージの刷新。不動産業、システム開発から保守メンテナンスや廃棄処分までの輸送にまつわるサービスをワンストップで提供できる総合物流サービスを展開している。現在副社長を務める傍ら、企業の語学教育や輸出代行を主とする会社を起業、CEOとして活躍中。
山内 松山さんはどうですか?
松山 前回も話しましたが、コロンビア大学の大学院で、ソーシャルビジネスで修士号を取得した後に帰国、父の経営する運輸会社に入社しました。2代目になるんですが、経営を学んだ視点から、時代のニーズに合わせた事業変革に多少なりとも貢献できたと思います。
山内 先代からの家業だと、いろいろ大変そうですが…。
松山 そこは大学で学んだことが本当に役にたちました。逆にあのまま、日本の大学でのんびり過ごしていたら、経営のことや、経済のことなど、何も知らずにいて、今頃、非常に苦労していると思うので…。
山内 留学で勉強漬けになった甲斐がありましたね!
松山 はい、もちろん!時間の使い方もうまくなって、家業のほかに、海外ビジネスに関する自分の会社も作っちゃいましたから(笑)
山内 今回の座談会は平日の昼間の開催でお願いしたので、たまたま起業されているかたばかりになってしまいました。でも。逆に考えると、留学して広い視野をもつと自分で仕事を作り出せるとか、自分で時間をコントロールできるといった、自由度の高い仕事ができる環境で働くことが可能になるとも言えそうですね。
日本の大学で受け身で過ごすのは
時間がもったいない!
最後に最後は留学を目指す人たちに簡単なアドバイスとかを聞きたいんですが…。青砥さんは、現在のお仕事で、教育にも携わっているんですよね。
青砥 実は、僕はやみくもに留学はすすめていないんです。まずはやりたいことが大事かな、と。今の仕事で東大生ともよく話すんですが、彼らは課題を与えられれば、それをこなすことは非常に上手なんです。でも自分から問題を見つけ出すとか、やりたいことを突き詰めるとか、そういったことは苦手。これは小さいころからの教育が原因かもしれません。
山内 たしかに、やりたいことの延長上で留学があると、向こうでも頑張れそうですよね。私がよくセミナーでいうのですが、たとえば「たんぱく質の研究をしたい」のであれば、日本がいちばん進んでいるので、海外に行かなくてもいいと。でもやりたいことが見つからないんだったら、留学という選択肢もあると思います。
青砥 そうなんです。せっかく今、東大に行っているんだったら、特に海外に行かなくたって、日本でトップの世界にいるわけですし、教授にいろいろと話を聞きに行ったり、行動すればいいんです。どこに行こうとも、自分で行動した方が学びは深くなると思います。僕は、UCLAのときは、教授のオフィスに通いつめて、質問ばかりしていたので、「ミスター・クエスチョン」と仇名を付けられたんですよ!(笑)
山内 教授からそこまで言われるとは(笑)。結局、東大くらいの高レベルの大学に行ったとしても、日本の大学で受け身で4年間過ごすのは本当にもったいないですよね。
梅田 それは、本当にムダだと思いますね。僕は、自分の教養を深めるという目的だけでも留学してもいいと思います。実際にアメリカで見聞きした体験は自分にとって良かったので。
新たな文化や言語を身に付けると、自分の枠が広がるというか、思考も広がるんです。それに英語がある程度できると、しゃべれる人数が圧倒的に多くなりますよね。そうなると世界が広がるというか、常識のふり幅が広くなるというか…。
松山 私も英語ができるようになるメリットはものすごくあると思います。なんだかんだ言っても、最先端の論文とかは英語ですし、生活面でも、たとえば美術館に行って、ちょっとした説明が読めるだけで、理解の深さが違いますし。
梅田 海外にいって、言葉が通じないと、力が十分発揮できない気がするんです。ゲームでいう基礎体力というか…パワーが半分以下になっちゃうというか。