日本でどんな高校に行っていても、「編入」という方法で、東大や京大よりランキングが上の海外のトップ大学に行ける!という方法を紹介した『東大・京大卒に勝てる!世界のトップ大学に編入する方法』も好調な山内勇樹さん。
山内さんご本人も偏差値39からUCLAへ留学を経験、今回はそのほかに編入ルートで有名大学、大学院に留学した3名に集まってもらい、本音の留学座談会を開催しました。最終回の今回は仕事についてです。(取材・文 児玉真悠子、撮影 宇佐見利明)
海外で脳神経学を学んだあと
日本で新しいビジネスで起業
山内 第1回目は、どのようなルートで海外留学を実現したのか、第2回目は英語が苦手でも、有名大学に行くために授業で好成績を取る方法、さらに第3回目は、留学先での良かったこと、大変だったことなどの体験を話していただきました。
今回は今の仕事についてうかがいたいのですが、青砥さんは、UCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)で脳科学を学んで卒業しています。普通は医師や研究者の道を選択すると思うのですが、その道に進まなかったのはなぜですか?
株式会社DAncing Einstein 代表
日本の高校を中退後、モデルを経て留学、米国のUCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校)にて神経科学部(neuroscience)を飛び級卒業。帰国後、ドーパミン(DA)が溢れてワクワクが止まらない新しい教育を創造すべく「DAncing Einstein」社を設立。脳x教育xITの掛け合わせで、世界初のNeuroEdTechという分野を研究し、幾つも特許対象のアイデアをもつ。最新の論文から導き出された脳の働きを理解したうえで効果的な教育方法などを研究開発、企業はもちろん学生や教師も巻き込み、今、教育界で注目されている若手起業家。
青砥 そうですね…世界最先端の医用生体工学やIT技術を知ると、これからは医者の役割が変わり、多くが人工知能やロボットに取って代わられると考えたからなんです。
たとえば、診断するときの症状の要素整理や治療の提案は、今は人間が経験則でやっていますが、機械の方が遥かに多くの要素を、正確な科学データに基いて瞬時に算出してくれるので、より精度の高い診断が可能になります。
外科も同様で、もう既にロボットがかなりの手術をできるようになっており、もちろんまだ人の力は必要ですが、近い将来、多くの手術は優秀なロボットが担当し、先進国では近い将来、医者の需要は以前よりはなくなってくるかもしれない、と。
山内 ほほう、おもしろいですね。
青砥 僕は脳の知見を医学以外の文脈で応用した方が面白そうと考えたのです。そしてとりわけ興味のある教育への応用です。学ぶ時に脳を使いますからね。そこで、脳と教育とITとを掛け合わせ、今までにない学習、教育を創ろうと「DAncing Einstein」という会社を立ち上げました。その中で幾つかの発明が生まれ、日本で特許を出願し、今国際特許も出願中で、海外での特許取得次第、海外への事情展開もしていきます。
山内 特許!それはすごい!どんな発明を具体的にされているのですか?
青砥 幾つかありますが、「記憶の可視化」システムを構築しています。簡単に言うと、例えば記憶には短期、中期、長期記憶などがあり、それらの種類別の記憶状態を可視化するというものです。そうするとその記憶の状態に見合った効果的な学習法というものも提案できるようになります。
山内 覚えてもすぐに忘れちゃうとか、暗記の苦労はありますからね…。