Tさんのように食べることが好きな人の中には、ご飯や麺類、パンなど炭水化物の「主食が好き」な人も多いのではないでしょうか。炭水化物の食事は、サンドイッチ、カレーライス、パスタ、ラーメンのように単品で済ませるものが多く、1日に摂る食品数が少ない傾向にあります。こうした食事では、野菜が不足してしまいます。

 この場合は、日々の食生活で押さえるべきポイント(2)で挙げた野菜の摂り方のほか、主食、主菜、副菜を揃えた「定食」を選ぶことで品数を増やすことができます。野菜の食物繊維に加えて肉、魚などのタンパク質を摂ることができ満足感も得られます。

 カレーライスやパスタにサラダをつける、サンドイッチに野菜スープをつけるなど、まずは副菜を1品プラスすることを意識していきましょう。

●甘い物が好きな40代のWさん
「食べ順」と食材の「置き換え」を意識して数値改善

 Wさん(44歳)は、3年前から少しずつHbA1c値が上がってきており、親戚に糖尿病が多いことや、体重が年々増加していることから食生活を見直すことにしました。

 食事は「血糖値コントロール」を重視して、まず野菜を必ず先に沢山食べ、ご飯は白米から雑穀米に変えて、一番最後に糖質の多いものを食べることを実践しました。

 清涼飲料水やエナジードリンクを好んでよく飲んでいましたが、飲み物は水かお茶に変え、お腹が空いてしまうときは、お菓子ではなく茹で卵や豆腐などのタンパク質を多く含む食品を摂るように心掛けました。

 現在は食事改善のお陰でHbA1cの数値は6%前後で落ち着いています。ストレスで数値が上がる場合もあるので、ストレスを解消しながら血糖値を上げない食習慣を続けていきたいと話しています。

 Wさんのように甘い物が好きな人は、1日にどれくらい甘い飲み物や甘いお菓子などの間食を摂っているか、書き出して把握しましょう。

 間食は1日100kcal以下が目安になります。これは、お菓子にすると、クッキー(2枚)/アーモンドチョコレート(3粒)/せんべい(2枚)/スナック菓子(5分の1袋)に相当します。挙げたものの合計ではなく、それぞれが約100kcalです。

 おすすめの間食は、ただ甘いだけのものではなく栄養が摂れるものです。甘栗(6粒)、ドライフルーツ(30g)、ヨーグルト(1個)、りんご(2分の1個)、キウイフルーツ(1個)、みかん(1個)などが良いでしょう。

 そして、清涼飲料水や炭酸飲料などの甘い飲み物を水やお茶に置き換えることで、血糖値のコントロールがしやすくなります。甘い物を食べるのを止めることが一番効果的ですが、どうしても食べたいときは空腹時ではなく食後に摂るとよいでしょう。

 例に挙げた2人は、特に特別な食事改善ではなく、ライフスタイルに合わせた食事改善をすることでストレスなく継続でき、結果につなげられています。

 最後に、2人にも伝えた血糖値コントロール習慣づくりの10か条をまとめます。

 (1) 体重を毎日計る
 (2) 野菜から先に食べる
 (3) 1日3食なるべく規則正しく食べる
 (4) 甘い飲み物は水やお茶に変える
 (5) 家にお菓子のストックを置かない
 (6) 単品食べをせず、副菜を必ず毎食摂る
 (7) 食べ過ぎたら次の日の食事量を調整する
 (8) 白米を胚芽米や雑穀米に変える
 (9) よく噛んでゆっくり食べる
 (10) なるべく動いて活動量を上げる

 どれも今日から始められる項目ですので、「血糖値が高め」「糖尿病の疑いがある」と言われたら、怖がらずに一度病院を受診して食事について見直すきっかけにしてみてくださいね。

(管理栄養士 岡田明子)