昨年の日経平均株価は1万9000円程度からスタートして、6月24日に1万5000円を割った。そこから日本銀行のETF(上場投資信託)買い入れ額倍増とトランプ米大統領誕生という二つの大きなイベントをきっかけに、日本株は上昇を続けている。しかし、最近はドル円が118円から113円程度まで円高に振れても株価が下がらないという状況になっている。

 これには、三つの理由があるとみる。第一に、トランプ大統領の景気刺激策があるのでいったん円高に振れてもいずれは円安に戻るだろうという期待、第二に、日銀による6兆円のETF買い入れがあるので株価の下振れはないだろうという考え方、最後は足元の企業業績が好調なため日本株を買うという外国人投資家の存在だ。

 第一の点については17年1月23日の本欄で述べたので、今回は第二と第三の点について考えてみたい。

 日銀による年間6兆円のETFの買い入れは今年も続くとみられる。しかし、日銀の年間80兆円程度の国債買い入れ枠は、今年のいずれかの時点で60兆円程度に減額になるとみている。将来的な日銀の金融市場に対するコミットメントは縮小してゆくはずである。