中古住宅市場は、「レモン市場」
購入者の価値観はかなり変化してきているものの、いまだ「中古住宅はよくわからない」という漠然とした不安から敬遠する向きも多い。しかし、これら中古住宅もかつては新築だったのだ。経年劣化するのは新築も中古も同じで、建物の宿命である。
中古住宅市場は、経済学でいうところの典型的な「レモン市場」だ。たとえ表面はきれいでも、中身が腐っているレモン、スカスカのレモンもたくさん混じっていて見分けがつかず、どのレモンも信用できない状態を指す。
中古住宅の査定をするのは通常、不動産仲介会社の営業マンで、宅建主任者などの資格は不要だ。前述したとおり、ペナペナな建物でも、まだまだ十分に持ちそうな建物も、とにかく経年による一律の減価というのが現在の住宅査定手法であり、それが中古住宅市場を形成している。
実際の中古住宅は、建てられた年代や構造、施工品質や所有者による暮らし方、メンテナンスなどによって、そのコンディション(状態)は千差万別だ。ゆえに、購入者自身がよくよく見極めないと、何をつかむかわからない怖い市場だともいえる。一方で、きちんと目利きができればお買い得なお宝物件を見つけることもできるだろう。
中古住宅を購入する際に、建物の性能や状態はどうなっているのか、どこかに不具合はないか、自分である程度チェックしておきたいポイントについては、次回ご紹介したい。お楽しみに。
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