ホームインスペクション 先進国の普及事例

 例えばアメリカでは、州によってばらつきはあるものの、おおよそ70~90%の割合で、不動産購入前にホームインスペクションが行なわれている

 いまからおよそ30年前、都市から郊外へ向かう人たちのために大量の新築住宅が造られた。このころに造られた住宅には、その品質に問題があるものも多く、あちこちで欠陥住宅や建物の不具合が続出し、社会問題化。その結果として、自然発生的にホームインスペクションが生まれた。

 各地でホームインスペクションが展開されるようになり、その内容や質に標準を定めるためホームインスペクター協会 ASHI( American Society of Home Inspectors )が発足。同協会は、ホームインスペクション業務のスタンダードを確立しただけでなく、今でもその重要性を訴えると同時に質を守る努力を続けている。

※アメリカホームインスペクター協会
(ASHI:American Society of Home Inspectors)

http://www.ashi.org/

 

 北米には現在約2万5000人のホームインスペクターがおり、そのうちASHIに登録しているのは約6000人。実稼動しているホームインスペクター一人あたりの平均的な業務量は、年間250件程度。

 アメリカにはASHI以外にも、以下のようなインスペクターの協会がある。

※全国ホームインスペクター協会
(NAHI:National Association of Building Inspectors)

http://www.nachi.org/

 

※全国建物インスペクター協会
(NIBI:National Institute of Building Inspectors )

http://www.nibi.com/

 

 まさに、ホームインスペクションが当たり前の社会。ホームインスペクションと不動産取引慣行という観点から見ると、日本は大きく後れをとっている。