iPhone、Androidなどスマートフォンの利用者が増えている中国。連載第32回で、中国モバイルネットの現状について聞いたUUCUNの水野裕哉・董事に、スマートフォンに関する中国モバイル広告の最新事情について、改めて聞いた。

スマホ広告市場は、広告主、広告代理店、
メディア、ユーザーの4つから成り立つ

上海網村信息技術有限公司(UUCUN)の水野裕哉・董事

――スマートフォンのモバイル広告ビジネスには、どんなプレイヤーが関わっているのでしょうか。

 基本的な業界構造は一般的な広告業界と変わりはなく、大きく分けると「広告主」「広告代理店(アドネットワーク)」「メディア」「ユーザー」という4つのレイヤーが存在します。

 広告主が広告代理店にスマートフォン上でのプロモーションを依頼すると、広告代理店はスマートフォンに最適化されたウェブサイトや、iPhoneやAndroid携帯向けに開発されたアプリケーション(アプリ)内に広告枠を持つメディアを介して、広告をユーザーに届けるという流れです。

 広告主は、大きく分けると2種類あります。化粧品、車、PCなどのメーカーが自社ブランドの認知や新商品の告知のために行なう「ブランド広告」と、モバイル上でウェブサービスやコンテンツを提供する会社(SP、CP)が、自社サービスの利用者を増やすためにプロモーションを行なう「コンテンツ広告」です。我々は主に「コンテンツ広告」のビジネスに関わっています。

――どんな企業がコンテンツ広告の広告主になるのですか。

 スマートフォンでユーザーが利用するアプリを提供する会社全般になるのですが、たとえば、QQ(チャットツール)、微博(中国版Twitter)、セキュリティ(360やNetQinなど)、街旁(中国版Foursquare)、ゲームなどです。