中国におけるモバイル向けコンテンツ・アフィリエイト市場は、日本を追い抜かんばかりの勢いで成長している。実は、中国のモバイルネットユーザーの多くは、若い農民工だ。彼らを魅了するモバイルアフィリエイト広告の裏側を、上海網村信息技術有限公司(UUCUN)の水野裕哉董事が詳しく教えてくれた。

上海網村信息技術有限公司(UUCUN)の水野裕哉董事。規模で勝負しないと勝ち残れない中国のモバイルアフィリエイト広告市場の厳しさと、勝ち残りのための法則を語る。

――UUCUNの事業内容を教えてください。

 日本でリモートメールなどのモバイルコンテンツを提供している(株)fonfun(フォンファン)の100%子会社として、2004年に設立されました。

 当時は、日本のコンテンツプロバイダーが持つコンテンツのライセンスを取得して、中国向けにローカライズして提供するコンテンツ事業や、モバイル向け検索エンジンの展開を行なっていました。

 現在は、現経営陣がfonfunからMBOして独立し、モバイルアフィリエイト広告事業を主たる事業としてやっています。私は、メディア部門を統括しています。

――中国には今、どのくらい携帯ネットユーザーがいるのでしょうか?

 今年6月に携帯電話の契約数が8億を超えたので、中国の携帯電話自体の普及率は約6割となっています。また、中国インターネット情報センターの公布した『第26回中国インターネット発展状況統計報告』によると、中国の携帯ネットユーザー数は2億7700万人(前年比18.6%増)です。

 中国のネットユーザーの合計が4.2億人なので、そのうち66%のユーザーが携帯でもネットに接続していることになります。携帯電話だけでネットに接続するユーザーも、4900万人いると言われています。

――中国では、どのような人が携帯でインターネットを利用しているのでしょうか?

 現在、中国のモバイルネットユーザの多くは、若い農民工です。農民工の人たちは、相部屋の共同生活でテレビも自由に見ることができず、プライベートのない環境での生活を余儀なくされています。

 そんな彼らが携帯ネットで、ゲーム、「QQ」などのチャット、小説、動画といったアプリケーションにハマっているのです。

 各コンテンツの利用料金は、高くても月10元程度だし、携帯ネット通信の通信料金も中国移動の場合で月額20~30元(150MB)程度が一般的なので、農民工でも利用できるのです。