「全国2104診療所の看取り実績を一挙公開」と謳い、「看取り件数」とその「自宅」と「施設」の内訳や「緊急往診数」「担当医指数」「合計診療患者数」まで記載されており、在宅医療の実態を把握するには絶好のデータである。

 診療所が提出した報告書は、2015年7月から2016年6月までの1年間の数値である。2014の診療所の中で、看取り件数が多い順に筆者がランキングを作成したところ、トップに立ったのは364件の東京都葛飾区の「わたクリニック」であった。

 全国の診療所で、看取り件数が300件を超すのはわずかに3診療所だけで、200件を上回るのも7つしかない。ベスト10を書き出してみると、東京都と神奈川県内が共に3ヵ所、ほかは浜松、四日市、名古屋の各市である。東京都と神奈川県内に集中している。

 先述の厚労省が公表した20万人以上の都市の在宅死調査では、ベスト10は東京都の7自治体の他は神奈川と千葉県内の自治体ですべて首都圏にあった。地方都市では、首都圏ほどに在宅医療がまだまだであることが分かる。

 トップ診療所の「わたクリニック」だが、掲載数字から特徴的なことがいくつか挙げられる。同じ葛飾区内には同クリニックの他に13の診療所が掲載されており、その看取り件数は総計で317で、わたクリニックの364件に及ばない。わたクリニックだけで全体の53%を占めている。ダントツのシェアである。