「最大の年金は仕事である」

　では「サムマネー」とはいったいどのくらいの額なのでしょうか？

　日本人の平均寿命は男性で約80年、女性で約85年。あなたが60歳で定年退職して平均寿命まで生きると仮定すると、まだ20年以上の人生が残っている計算になります。

　60歳まで生きたという「下駄」をはいていますから、余命は30年あるでしょう。リタイア後に必要なお金は理想的には5000万円といわれていますが、統計的に見ると日本人の一般家庭では3000万円がいいところだそうです。ということは、理想と現実の間には2000万円ほどのギャップがあることになります。

「老後の生活が立ちゆかなくなったらどうしよう」という不安を払拭する最善の方法は、会社を辞めてもどこかから声がかかるだけのスキルを若いうちから磨いておくことです。

　私は「最大の年金は仕事である」と考えています。たとえ定年を過ぎても、人から必要とされ、喜んで対価を支払ってもらえるだけのスキルを持っていれば将来も困ることはない、という意味です。

変化に備えていなければ
あなたは3年以内に使い物にならなくなる?!

Insanity is to continue to do what you are doing today and expect better results tomorrow.
（狂気とは、今日やっていることと同じことをやりつづけて、明日の結果が今日よりもよくなることを期待することである）

　これは、最近でくわした印象的な言葉です。

　私たちはいま、大きな変化の時代を生きています。にもかかわらず今日と同じことをくり返すだけで順風満帆の明日を迎えられると思うのは大いなる勘違い。まわりの環境が変わっているのだから、私たち自身も同じことのくり返しではなく、自らに投資をして自分自身を磨きつづけ、必要に応じて自分の考え方ややり方を変えなくてはいけません。

　この努力を怠ると、長くて3年、短ければ1年以内にあなたは使い物にならなくなってしまいます。「The only constant is change.（唯一の不変は変化である）」というちょっとひねった英語表現もあります。