3つの学びの素
では、長いビジネス人生でどうすれば自分を伸ばし、磨くことができるでしょうか。
私は、自分を磨くために必要な要素は大きく分けて3つあると考えています。
①座学
座学とは、本を読む、講演会やセミナーに出席する、異業種交流会に顔を出すといった、いまの仕事には必ずしも直接結びつかなくても将来の自分の糧となる知識と知見を養うことです。座学には物事の原理原則を体系的に学べるというメリットがあります。
②師
2つめの要素は「師」。あなたに仕事のやり方を教え導いてくれる上司や先輩のことです。「ビジネスパーソンが伸びるか否かの80%は、20代のときに出会った上司で決まる」とさえ言われるように、自分の「型」がまだできあがっていない20代のころにどのような上司の下で仕事をし、どういう先輩やメンターに恵まれたかは、あなたの成長に大きな影響を及ぼします。
③修羅場
そして第3の要素が「修羅場」です。実学と言い換えてもいいでしょう。しかるべき権限と責任を負って難しい仕事を担当する、新商品の導入を取り仕切る、プロジェクトチームを率いる、海外でのマネジメント経験をするというように、思い切ったストレッチをしなければできないような結果責任(アカウンタビリティ)を伴った困難な仕事を複数経験することです。
座学、師、修羅場。これら3つの学びの素のうち、どれが欠けても大成はできません。ただし重要度の点からこれら3つに比重をつけるとすれば、私は座学の重要度が10%、師が20%、修羅場の重要度が70%と考えています。
原理原則や基本を学んで(10%)、ときにはメンターの助言を仰ぎながら(20%)、実際に困難な仕事に取り組む(70%)ことにより、人は自分の持つ潜在力を最大限に開発し発揮させることができます。どれか1つが欠けても、人の成長は足踏みしてしまいます。
この1:2:7のバランスを意識しながら、あなたも自分創りと将来創りにさっそく取り組んでください。最後に、私が好きなこの言葉をあなたに贈ります。
今日の自分は
昨日までの自分の結果である。
将来の自分は
今日からの自分の結果である。
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これまで何千人というビジネスパーソンと接してきた新氏は言います。「優れたビジネスパーソンを見ていると、ひとつの共通点があることに気がつきます。人生には『これをやれば絶対に成功する』などというゴールデンルールは存在しませんが、自分を信じ、自分の可能性に賭け、努力を怠らず、人に学び、定めた目標に向かって突き進むことで自分を磨き、プロフェッショナルとなったのだ、ということです」。
あなたがこの世に生を受け、何十年か生きて死んでいくまでの間に、仕事を通じて世の中を変えることはきっとできる。そのための心構えの書として、本書が何らかのヒントになることでしょう。
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第1章 情熱について
三つの年齢
情熱の五つの型
情熱の源は「目的」と「目標」
情熱の火を燃やしつづける三つの方法
定期的な点検作業
第2章 仕事力について
ビジネスパーソン人生のVSOP
“ジンザイ”の四分類
可処分時間をどう使うか
「優先順位」が決め手
「効果×効率=生産性」の原則
「忘れる」のも能力のうち
会社選びにも適用したい「優先順位」の考え方
第3章 学びについて
「学ぶ習慣」はビジネスパーソンが持つべき最重要資産
座学からは原理原則を体系的に学べる
師について
修羅場をくぐることで力は身につく
第4章 人について
ホンモノ人間とニセモノ人間を見分ける目とは
三人のメンターがあなたの人生を変える
よきライバルを持って自分に磨きをかけろ
諫言してくれる人を持て
第5章 意識と態度について
自律と自立
伸びる人は謙虚な人
最大の敵は「あきらめ」
胆識を持つ
プロとは「PRO」の人
中国明王朝の歴史が教える正しい考え方の原則――「多長根」
人生「FUN」の一言で変わる
運とは運ぶことのできるもの