いずれにせよ、いわゆるトランプ大統領の「岩盤支持者」(白人ブルーカラー層を中核)と既成政治勢力、高学歴・ホワイトカラー層を中心とする反トランプ勢力の決定的な分断は、さらに進むだろう。

 トランプ大統領は選挙中の公約を含め、これらの支持者に向けた政策方針を引き続き打ち出して行くだろうが、減税のように共和党の核心的政策に一致する政策は実行されても、その他の多くの公約はなかなか実現していくまい。

 これは議会の賛同が得られないことと、いまだ空席となっている主要な政府人事が多く、実務的な支えが不足していることも大きい。

 このような状況が、11月に予定される中間選挙にどういう影響を与えることになるのか。

 もともと中間選挙は過去、大統領の与党に不利な結果となっている(ブッシュ政権下の9.11テロ翌年の2002年中間選挙を除き)。

 ただ今年の中間選挙では、上院の改選議席(100議席の3分の1の34議席)のうち民主党(系)の議席は26であり、民主党が現有議席を確保しさらに2議席をネットで増加させ、非改選議席と合わせて過半数を制するのはなかなか困難と予想されてはいる。

 そうした中で、もし上下両院のいずれかで、共和党が多数を失った時の政権に与えるダメージは極めて大きいだろう。

 また国内情勢と連動して、国際的な米国の指導力が一層低下していくのは必至である。

 トランプ大統領の大統領らしさ(プレジデンシャル)が全く欠けたツイートの発信や、最近、出版された「暴露本」などから、トランプ大統領の言動への信頼はますます揺らいでいる。

 これまで発表されてきたトランプ大統領の対外政策の多くは、従来の米政権の基本政策から大きく外れたものだ。(TPPや地球温暖化対策のパリ合意からの離脱、イスラム圏からの入国禁止措置、メキシコとの国境の壁建設、NAFTAの見直し、イラン核合意への反対、エルサレムをイスラエルの首都と認定など)。

 さらに「アメリカファースト」は、米国の国際社会における指導力の放棄であるだけでなく国際協調主義の放棄であり、結果的には米国は孤立主義に向かっていると見られてもおかしくない。