金融危機以降の不況の中で、企業はマーケティング・コストの見直しを進めている。広告効果に敏感になった企業が注目しているのが、マーケティングROIである。これまでその算出は困難だったが、ウェブ広告がそれを可能にした。いま、先進的な企業はマーケティングのあり方そのものを問い直し、新たな行動に踏み出している。急速に高度化するウェブ・マーケティング。その動きをリードしてきたグーグルの取り組みを通じて、新しい時代のマーケティングを考える。
広告の効果を数値で把握可能
ウェブが変えつつある経営者の意識
厳しい経済環境を受けて、あらゆる企業がコストの中身を見直そうとしている。なかでも、マーケティング・コストの最適化は喫緊の課題だ。グーグル株式会社代表取締役社長の辻野晃一郎氏は「広告主は、これまで以上に広告効果に敏感になっています。そこで注目されているのが、マーケティングROIです」と語る。
グーグル株式会社代表取締役社長 辻野晃一郎氏 |
例えば、新たに工場を造ろうと思った場合、経営者は事業計画をもとにROIを予測した上で投資を判断する。そして、工場の稼働後には検証を行い、結果に対して経営者は責任を負う。この当たり前のプロセスが、これまで広告などのマーケティング投資に関しては一般的ではなかった。一方通行のマス広告が主流だった時代には、ROIを計測する手段がなかったからである。
しかし、いま様相は大きく変わりつつある。辻野氏はこう説明する。
「広告主がウェブ広告を使ってみると、実際にどの程度購買につながったか、認知度がどの程度向上したかといった効果を測定することができる。特定の広告のROIを、数値として把握できるのです。先進的な企業はこの点に着目して、マーケティングのあり方を変えつつあります」
一方で、消費者の意識や行動も変化しつつある。ある調査によれば、家電製品をオンラインで購入する消費者の84.4%は事前にネットで情報を収集しており、リアルの店舗で購入する際にも68.9%が同様の情報収集を行っている(注)。辻野氏は「リアル店舗だけで商品を販売している企業にとっても、ウェブ空間においてプレゼンスを高めることの重要性は急速に高まっています」と強調する。
(注)出典:マクロミル「PCユーザーのインターネット利用実態調査」(2008.9)
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