「上層部の会議」を攻略する

 ただし、チームの会議を改善するだけでは十分ではありません。
 なぜなら、マネジャーの権限において意思決定できることであれば、チーム会議で完結することができますが、課長クラスであれば、その権限領域は非常に限られているからです。チーム会議で決定した案件を、上層部に認めてもらわなければ、意思決定が完結しないケースが非常に多いのです。

 私も、ここで何度も躓きました。せっかく、メンバーが一生懸命考えてくれた提案を、私の力不足で「上層部の会議」で差し戻されてしまえば、その間、プロジェクトを動かすことができないうえに、メンバーに二度手間三度手間をかけることになってしまいます。それでは、チームの生産性が低下するうえに、メンバーからの信頼までも失いかねません。

 だから、そのような事態をできる限り少なくするために、常日頃から万全の準備を整えるように心がけるようになりました。直属の上司との信頼関係を盤石なものにするとともに、他部署との協力関係を築くことによって、社内における信頼を勝ち取る。「経営会議」に参加するチャンスをつくり、そこでの意思決定のプロセスを観察する……。そのような努力を重ねることで、何度も失敗をしながらも、少しずつ「上層部の会議」において一発でGOサインを勝ち取るコツを身につけていったのです。