「応募者は当初400人くらいかと思っていた」。こう振り返るのは、地域政党「大阪維新の会」の幹部。3月24日に開講、次期衆院選の候補者養成などを目指す「維新政治塾」の運営担当者である。
だが、ふたを開けてみれば、維新政治塾には全国各地から、地方議員や公務員、会社経営者や弁護士、医師、マスコミ関係者など、3326人もの応募者が殺到した。
書類審査で教員や自衛官や警察官、現職と元の国会議員や既存政党(みんなの党を除く)の立候補予定者などは除かれ、大阪維新の会の方向性と明らかに食い違う論文を提出した人も不合格となった。
1次選考通過は2262人で、山形県以外の46都道府県に及ぶ。地方議員が多く、自民党や民主党など党派や会派はさまざま。共産党の地方議員の応募もあったが、入塾は認めなかったそうだ。
応募者の論文すべてに目を通した維新幹部は「分権の推進や規制緩和を訴える提案型の論文が目立った。社会を変えたいとの熱意に溢れたものが多かった」と明かす。
大阪維新の会は政治塾開講後、さらに面接やディスカッション、街頭演説などの2次選考を実施し、6月には正式な塾生を800~1000人に絞り込む予定だ。
国政進出が注目されている大阪維新の会だが、幹部も「国政がもたもたして、都構想や分権が進まぬうちに解散となったら、われわれは国政に手をかけざるを得ない」と、これを認める。ただし、「維新の首長と地方議員は国政には出ない」が原則。国政進出の場合には、正式塾生中200~300人が候補者となるもようだ。
(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 相川俊英)