人間の集中力は「15分周期」である

 そもそも、人間の集中力には限界があります。大学の授業が90分に設定されているように、集中力が持続する時間は90分が限界と言われていますが、90分間ずっと集中できるわけではありません。集中力の波は15分周期だと言われているのです。つまり、人間の集中力を維持するためには、「15分」をワンブロックとして考える必要があるということです(下図参照)。

 実際、テレビ番組も10~15分程度でCMを入れる構成になっています。テレビ局としてはCMを流さなければならないという理由もあると思いますが、一方で、CMで休憩を挟むことで視聴者の集中力を維持するという理由もあると思われます。私が大学で教員資格を取得するために教育実習に行ったときに、小学校の授業が45分間なのも同様の理由であることを知りました。

 あるいは、同時通訳も基本的に15分周期で担当者が交代するサイクルを採用しているといいます。同時通訳にはきわめて高度な集中力が要求されるため、集中力の波が切れる15分ごとに休憩を入れるのでしょう。

 それは、私自身が実感するところでもあります。私は、1時間ほどかけてプレゼンテーションをする機会があるのですが、だいたい15分ごとに聞き手の集中力が途切れてくるのです。だから、プレゼン資料をつくるときには、15分ごとに話題を変えたり、ちょっとした笑いの要素を入れるなど工夫を加えます。そうしなければ、長時間のプレゼンを集中して聞いていただけないからです。

 これを裏付ける実験もあります。
 東京大学の池谷裕二教授が、(株)ベネッセコーポレーションの協力のもと実施したもので、中学1年生を、1時間ぶっ通しで英語を学習する「60分学習」のグループと、休憩を挟みながら学習する「15分×3=45分学習」のグループに分けて比較したところ、後者のほうが明らかに学習成果が上がったというのです。おそらく、「15分」をワンブロックとしたために、集中力が維持されたからだと考えられます。

 これは、会議にもそのままあてはまります。だらだらと「1時間会議」をやっているようでは、参加者の集中力はもちません。その結果、ディスカッションのレベルが下がり、意思決定のレベルをも下げてしまうのです。そこで、私は人間の集中力の特性に合わせて「15分」をワンブロックとして、それを2サイクル回す「30分会議」を定例会議の基本とすることにしたのです。