時間制約があるから「会議の品質」は上がる

「会議は1時間」という常識が生産性を下げる。会議は「15分×2=30分」が原則である。前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業。ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)などで17年にわたり移動体通信事業に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得。孫社長に直接プレゼンして事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりにも携わった。その卓越したプレゼン力を部下に伝授するとともに、チーム内の会議も改革。超高速PDCAを回しながら、チームの生産性を倍加させて、次々とプロジェクトを成功させた。マネジャーとしての実績を評価され、ソフトバンク子会社の社外取締役をはじめ数多くのプロジェクトを任された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。ソフトバンク、ヤフー株式会社、大手鉄道会社などのプレゼンテーション講師を歴任するほか、UQコミュニケーションズなどで会議術の研修も実施。著書に『社内プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)などがある。

 次に、アウトプット。これこそが、定例会議の本題。つまり、メンバー全員のディスカッションを経たうえで、なんらかの意思決定(=アウトプット)をするパートです。

 このパートも基本は15分ですが、インプットが10分で終われば、残り20分を使うこともあります。逆に、インプット10分、アウトプット10分で終われば、20分で解散してまったく問題ありません。

 むしろ、さっさと切り上げる、ややそっけないくらいの会議進行のほうが望ましいと私は考えています。ビジネス環境の変化が加速度的にスピードを上げていますから、それに対応するためには、多少そっけなくてもスピード感を重視する姿勢をメンバーに印象づけることができるからです。

 とはいえ、「そんな短時間で、いくつもの議案についてディスカッションから意思決定までできるのか?」という疑問を持たれる方も多いでしょう。当然の疑問だと思います。しかし、本連載でご紹介するノウハウを徹底すれば、必ず可能になります。

 重要なのは、まずはじめに「30分」という制約を設定することです。その制約を設定してしまえば、それをクリアするアイデアは必ず出てきます。そして、メンバーの高い集中力を引き出すことによって、「最高品質の会議」を実現することができるのです。