インフレ目標を達成しない場合、説明責任が発生するわけだが、説明責任の放棄にもなりかねない。

 これまで日銀は、インフレ見通しが間違っていた理由として、当初は原油価格の値下がりなどの海外経済の動向を挙げ、その後、2014年4月の消費増税を挙げてきた。

 海外要因は一般の人向けに説明する際には納得されやすいが、定量的にはそれほど説得力はない。インフレ率は国内の需給関係でかなり説明できる。

 つまり、消費増税によって国内景気を冷やしたことが、物価が上がらなかったの最大要因だったので、それから説明すべきだった。

 しかし、黒田総裁は消費増税をしても国内景気への影響は軽微だとと言ってしまったので、インフレ率見通しが外れた理由にできなかった。

 こうした失敗は「達成時期」が明記されていたから明らかになった。それがなくなると日銀の説明責任がなくなるので、それが筆者としては気がかりだ。

インフレ目標に「幅」を設けよ
「出口論」は尚早

 もっともインフレ目標はインフレ率が2%ぴたりとなっている必要はない。

 イングランド銀行ではインフレ目標のプラスマイナス1%以内であれば良く、その範囲を外れると、イングランド銀行が議会などで説明する責任が生じる。

 ただこれまでの日銀の目標に対する達成の「打率」があまりに低過ぎることは問題だ。

 2%目標上下1%に収まった比率は、この5年間(2013.4-18.3)で28%だ。他方、例えば同じ期間で、FRB(米国連邦準備制度理事会)は72%、イングランド銀行は62%で、日銀の「打率」は見劣りする。

 この「低打率」の引き上げが急務だ。