◆情報編集力を磨く

 どんな3歩目を踏み出せるかは「情報編集力」にかかっている。これは、正解が1つでない問題に対して思考力・判断力・表現力を駆使して仮説を立て、自分や周囲の人が納得できるような「納得解」を導き出す力だ。今まで蓄積してきた経験からくる、ものの見方や価値観、センスとも言えよう。

 かつての日本で求められたのは「情報処理力」だった。学校教育で培われた基礎学力に基づき、早く正確に正解を導く力だ。だが、目指すべき唯一の正解がない21世紀型の成熟社会には、納得解を求められる場面が多い。こうした社会を生き抜き、キャリアを高めるには、自分の経験やセンスを生かす情報編集力を磨いたほうが賢明だ。

 著者は以前、村上龍氏と「13歳のハローワークマップ」をつくったことがある。5つの領域を基準にして、世の中の仕事を星座のようにマッピングした地図だ。これを見ると、3歩目の「掛け合わせ」候補には無限の可能性があることに気づくはずだ。

 例えば、ツアーコンダクターの仕事をした後、子どもの頃から好きだった犬に触れ合う仕事をしたくなり、動物看護師の資格を取得して犬のプロとして働いたとする。それを掛け合わせれば、3歩目には「犬も一緒に旅行ができる専門のツアコン」になれるかもしれない。キャリアの掛け合わせに「正解」はない。だからこそ、情報編集力が生きるのだ。

◆信用(クレジット)とは何か?
◇信頼と共感が「クレジット」を生む

 世の中には、信用される人と信用されない人がいる。信用される人は、金融機関からお金を借りることができ、多くの仕事を任せてもらい、友人があなたの夢ややりたいことを実現するために動いてくれる。本書では、人物に対する信用(クレジット)を、「他者から与えられた信任の総量」と定義している。クレジットが大きければ大きいほど、人生の自由度が高くなり、自分の夢やビジョンが実現しやすくなる。

 クレジットは、「信頼」と「共感」の関数でもある。他者があなたに信任を与えるときには、理性で信頼することもあるが、感情で共感することも欠かせない。感情での共感が理性に先行する場面もあるほどだ。

 では、どうすれば多くのクレジットを蓄積できるのだろうか。基礎編として、次の10カ条を満たすことが最低条件といえる。(1)挨拶ができる、(2)約束を守る、(3)古いものを大事に使う、(4)人の話が聴ける、(5)筋を通す、(6)他人の身になって考える、(7)先を読んで行動する、(8)気持ちや考えを表現できる、(9)潔さがある、(10)感謝と畏れの感覚がある、だ。

 これは著者が中学生向けに書いた書籍『「ビミョーな未来」をどう生きるか』で述べたものだが、45歳になってもこの10原則が「高クレジット人間」の基盤であることに変わりはない。