経営 X 人事
若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル
【第16回】 2009年6月25日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

最長3年の契約社員を中心に急成長!
「ホットペッパー」のかまい方と育成法

 「新人が入ってくると、とかく放ったらかしにしがちです。でも、みんな新しい環境に入ってきて、不安に押しつぶされそうなのですから、きちんと迎えないとダメ。不安を解消できるのは、“みんなとうまくやっていけそうだな”と思わせることです。そのために、昼休みは誰と誰をペアリングするか、とかフォローしました。そういった段取りはリーダーの役割です」

 この組織は居心地がいい、この人たちと一緒に働くことが楽しい、という気持ちになってくれる。そのことが気持ちのスイッチをオンにします。職場と、働く仲間から受けるファースト・インプレッションは、とても重要です。

 このようなきめ細やかな配慮と、先にあげた「1/9スペースを3回連続。1人1日20件の訪問」という明確な行動指針。それに営業ナレッジを汎用化し、共有することを全事業部で実行していくことで、チーム力が強化されていったのです。それが、とりもなおさずホットペッパーが短期間で急成長した要因と言えます。

 「昔は、仕事の技術が自然に伝承される空気がありましたが、今はすっかりなくなりました。なにが人の心の琴線に触れて、やる気のスイッチを入れるのかもわからない。語り方も、伝える技術も学ぶ機会がない。私がホットペッパーでやったのは、事業のデザイン、戦略と、それが日々の一人一人の行動に表れる仕組み作りを通して“必ず勝つ風土”を作ることでしたが、ビジョンを構築するだけでなく伝えることに最大限の力を注ぎました。想いや基本的な考え方まで組織全体に浸透したのは、そのためだと思っています」

 戦略がないために事業がうまくいかない会社よりも、戦略が浸透しないために事業がうまくいかない会社が多いものです。

 どんなに優れた商品やアイデアを持っていても、そこに働く人々が心の底からその商品、サービスを愛して、自分の仕事を誇りに思い、チームで力を合わせて事業の組織化のために没頭してこそ、事業は成功します。
 
  大切なのは、組織と個人の思いや考え方が同期すること。戦略が浸透するために伝える技術をマネジメントが磨くことです。

 ホットペッパーの成功は、実はそこにこそ真の要因があるように感じられます。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


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