98年の防衛庁不祥事におけるNEC本社の家宅捜索。元役員が有罪判決を受けた。NEC凋落の予兆だった

 このように、NECは売り上げピーク時の2000年からの17年間で、外側(経営データ)も、内側(社員のモチベーション)も悪化の一途をたどった。

 深刻なのは、この変化が徐々に進行したためにいつの間にか「ゆでガエル」状態となり、危機感が共有されてこなかったことだ。

 この事態は、液晶パネルの巨大工場や海外原発企業に数千億円を投じて失敗し、危機に陥ったシャープや東芝のような分かりやすさがないだけに、余計にたちが悪い。

 NECの経営改革は、いまやらなければ手遅れになりかねない。

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