あまり湧かないモチベーション
所帯持ちにとっての1人旅

 Eさん(38歳男性)は妻とともに稼ぎ、育児に精を出す典型的な共働き夫婦である。幼稚園の娘の面倒を見る日は当番制にしているわけではなかったが、「先週と先々週は面倒見てもらったから今週は自分が」といった具合に、なんとなくバランスを見ながら決められている。

 家族で旅行に出かける機会は年に2回だから、平均的といっていい回数である。Eさんにとっての家族旅行は「楽しいタスク」であるらしかった。

「妻とは『年に最低1回は娘を旅行に連れていこう』と意見が一致している。家族で出かけるのは楽しいが、接待というには及ばないにしても家族旅行にある程度の義務感がつきまとっているのは事実。自分ひとりで過ごす時間も好きなので、自分ひとりの時間を削って娘との時間を作らなければならない。もちろん娘と過ごす時間も好きだが。

 妻に娘を任せられる日はきちんと確保できている。しかしだからといって『じゃあ1人旅に行こう』とはならない。その費用はどこから捻出すればいいのかっていう現実的な問題もあるし、やはり娘を妻に丸投げして自分だけどこか遠くに旅に行くというのは罪悪感を覚えるので、もし1人旅に行ったとしても楽しみきれないと思う。

 休日に1人の時間があるなら近所のパチンコ行ってラーメン食べて帰ってくるくらいがベスト。現に今そうしていて、ストレス解消になっている」(Eさん)

 Eさんとやや似た感性だと思われるFさん(49歳男性)は「1人旅に行くだけのモチベーションが湧いてきたことはない」と話す。