その一方で、地元向けのニーズも忘れてはならず、従来百貨店が担ってきた地元にはない機能、テナントを入れることも必要だ。ただし、より幅広い年齢層をターゲットにするために、地方にはこれまでなかったライフスタイルを発信するといいだろう。

 たとえば、近鉄百貨店枚方店の跡地にできた枚方T-SITEは、TSUTAYA、蔦谷書店を核に、テーマ性を持たせたカフェ、雑貨ショップなどを入れた複合商業施設となっており、「次世代の百貨店」として百貨店業界からも注目されている。

地元で潜在ニーズがあるものは?
「健康長寿の街」を目指す静岡伊勢丹

 2つ目に、「街で必要とされている機能」を導入する。従来、街の外にあるような機能、街で潜在的なニーズのある機能を百貨店の中に入れるということだ。

 百貨店の特徴として、安心・安全なイメージや、街の中心にあり立地がよいことが挙げられる。そこで、貸オフィス・貸会議室といったビジネスニーズ、大学サテライト・学校・塾などの教育施設、美容・健康施設などを入れることで、定期的に百貨店に来てもらうようにする。

 特に、上層階にこうした機能を入れ、店舗の他の売り場を通ったり、待ち時間に立ち寄ったりしてもらうことで、店での購入のきっかけを増やす。たとえば前述の枚方T-SITEは、上層階に銀行店舗や英語教室を、近鉄百貨店は四日市店にレンタルオフィスを入れている。

 また、三越伊勢丹は「健康長寿のまち」を掲げる静岡市と連携し、静岡伊勢丹の子ども服売り場だった場所に「ウェルネスパーク」というエリアを設け、血圧、ストレスチェックを行うことができるヘルスケアラウンジや、エステ、健康食品販売などのコーナーを設置している。