だが、17年に英国で発表されたコホート研究では、「適量」(1日当たり純アルコール摂取量16~24グラム)の飲酒でも脳の海馬の萎縮をもたらしやすくなるとした。雲行きが怪しくなっている。

 そもそも「アルコール依存症など大量飲酒者には、脳の萎縮がよく見られる」(瀧村剛・久里浜医療センター医師)。

 数多くのエビデンスが示されており、大酒飲みにとってはぐうの音も出ない状況だ。

お酒を楽しくし
また飲みたくなる脳のメカニズム

 それでも、またお酒を飲みたくなるのはなぜか。

 週3回以上飲酒し、純アルコールを週に合計60グラム以上摂取する酒好きの日本人は推定2000万人、赤信号の飲み過ぎは250万人いるとみられる(下図参照)。