アルコールによって脳内にドーパミンという物質が分泌され、中枢神経が興奮して喜びを感じる。この快楽物質を求め、酒量がどんどん増えていく。
また、アルコールは抑制性の神経伝達物質GABA受容体に影響を及ぼし、リラックス(抗不安)効果をもたらすことも知られる。
ただし、アルコールが人を引き付けるのは、快楽物質のためだけではない。脳とアルコールの作用は、まだ分からないことだらけだが、新しい研究が進展している。
池谷裕二・東京大学大学院薬学系研究科教授と、坂口哲也・同元特任研究員は、「アルコールが共感を強める」ことをマウス実験で証明。アルコール(エタノール)の作用がオキシトシンに似ていることを示した。オキシトシンは愛情ホルモン、幸せホルモンなどとも呼ばれる注目の物質である。