「安眠」に効く呼吸の秘密
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安心してぐっすり眠るにはどうしたらいいのだろうか。安眠には精神的なストレスのコントロールが重要なのは、言うまでもない。その秘訣について、呼吸生理学の権威・本間生夫氏(東京有明医療大学学長)に聞いた。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

安眠の敵、ストレスの改善には
呼吸のコントロールが効く

 心配ごとが何ひとつなく、安心してぐっすり眠れることを示す故事成語に「枕を高くして寝る」というのがある。

 安眠の秘訣(ひけつ)は、枕よりも布団よりも何よりも、精神的なストレスのコントロールであることを、人は経験的に知っているのではないだろうか。

 そしてこの、精神的ストレスの改善に劇的な効果をおよぼす秘訣として、昨今注目されているのが「いい呼吸」をすることだ。

 呼吸生理学の権威・本間生夫氏(東京有明医療大学学長)は次のように語る。

「普段から浅くて速い呼吸、荒い呼吸、弱い呼吸をしているような方は、日々の不安や緊張、ストレスが、呼吸を乱れさせている可能性があります。不安定な感情が不安定な呼吸を招いているのです。

 ただ、これには逆パターンもあてはまり、不安定な呼吸をしていると感情が不安定になり、呼吸を安定させると感情も安定するということが起こり得ます。感情と呼吸は一体となって動いているからです。私は、『呼吸は身体を整える窓口』であり『心を整える窓口』でもあると考えています。

 だから、精神的なストレスをコントロールしたいなら、呼吸をコントロールすればいい」

「そんなバカな」と思うかもしれないが、本間氏はそのエビデンスを脳の構造から解いてみせる。不安な感情と浅く速い呼吸は、脳内の同じ部分(最も深いところにある扁桃体というアーモンド形をした場所)で生まれていることを、研究によって明らかにしたというのだ。