グーグルもやっていた「非効率なことに時間を使う」チームづくり強いチームをつくるには、実は「非効率なこと」に時間を使うことが近道となる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

良好な人間関係を組織全体でつくり上げるには、意識と時間、覚悟がそれなりに必要だ。ショートカットはなかなか難しい。僕はそれをグーグルで学んだ。長く楽しく頑張れる組織の、屋台骨でもある良好な人間関係。これをチームとしてどうつくるのか。今回はそこを考えたい。(freee株式会社CEO 佐々木大輔)

地球の裏側にいても共感できる
「強いチーム」のつくり方とは

「コミュニケーションって、ショートカットできないもの。だったら時間は、そうした非効率なことにこそ使うべき」

 僕がそう強く思ったきっかけは、ずばりグーグルでの体験にある。

 グーグルで中小企業向けのマーケティングをしていた2009年頃、スモールビジネスマーケティングチームには大体100名以上の仲間が世界中に在籍していたと思う。すごく仲の良いチームで、ビデオカンファレンスで話すことはしょっちゅうで、お互いにナレッジを共有していた。

 それだけでなく、どこかの国に30人くらいが集まって半日くらい会議をした後、みんなで遊ぶ「オフサイト」という機会がたくさんあった。ヨーロッパの仲間が集まるところに僕が参加したり、アジアの仲間で集まっているときにヨーロッパから何人かメンバーが参加したり。みんなが一堂に会する機会も、1年に1度はあった。

 一見、非効率なことに思えるかもしれない。仕事をするだけならビデオカンファレンスだけで事足りるはずだから。でもグーグルは、チームづくりを目的に時間もお金もしっかり投資していた。

 そのお蔭だろう。普段は地球の裏側で離れて仕事をしていて、いつも顔を合わせるような人たちではないけれど、みんながやっている仕事やその悩み、達成して嬉しかったことなど、すべてにすごく共感できた。何かあればお互いに助け合いたいと思っていた。リモートでも働きやすいことを知った。それに、文化も仕事に対する考え方もまったく違うのに、自然とその状況が面白く思えて、寛容になることができた。