「これまでは誇大宣伝のような技術が、今年は現実になった。ビジネスで何が可能かを考える、新たなフェーズに突入した」
最新の携帯電話端末のお披露目会の印象が強いMWCだが、元来は企業同士の商談の場だ。そして今年はビジネスの現場で実際に5Gをどう使うのかという展示が、ひときわ熱気を帯びていた。
通信ケーブルが不要になるスマート工場。遠隔操作で安全になる建設現場。レジが不要な無人店舗。水中カメラで魚を監視するデジタル養殖──。
こうした武器を引っ提げて新規参入するプレーヤーの存在はもちろんのこと、いち早く対応した企業とそうでない企業との間で勢力図を塗り替えかねない脅威となる。
現時点で、業種によって5Gの浸透速度には違いがある。
人命に関わり、高い信頼性が求められる自動車や医療での5Gの本格的な活用は、少なくとも約4年は先になりそうだ。
一方、ゲームや動画といった、消費者向けの領域では5Gを活用したサービス競争がいち早く始まるだろう。