北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が今年初めて軍を視察した。米国との非核化協議の行き詰まりを受けて、姿勢を硬化させたことを示唆した。北朝鮮国営メディアの17日の報道によると、正恩氏は前日に空軍部隊を視察し、パイロットに空中戦の指示を与えた。正恩氏が軍の施設を視察したのは昨年11月以来約5カ月ぶりだ。国際問題専門家らは正恩氏の今回の軍視察について、米国が制裁を巡り譲歩する用意がない場合、北朝鮮は敵対的な姿勢に戻るという米トランプ政権へのメッセージだと指摘している。正恩氏は先週、米国が年内に核協議の姿勢を変えない場合は「暗く非常に危険な」対応を招き得ると警告した。ソウルの民間シンクタンク、韓国国家戦略研究所の文聖黙(ムン・ソンムク)氏は「金正恩は意味のない視察などしない」とした上で「軍事面の準備はできているという国際社会へのメッセージであり、国内向けには、準備万端にする必要があるというメッセージだ」と述べた。