マイクロソフトが買収を決めたと言われる新興企業、ヤマー。正式な発表はまだだが、この買収は、「企業向けソーシャルネットワーク」という新しいアプリケーション群に太鼓判を押すものとなったと、テクノロジー関係者は見ている。

 ヤマーの創設は2008年。たった4年前に作られた企業だが、すでに300人以上の社員を抱え、同社サービスのユーザー数は500万人以上もいるという。これまで5段階、合計で1億4200万ドルの資金注入を受けてきた。いかにも将来性が見込まれた新興企業の体裁と言える。

個人向けSNSより効用は大きい?
共同作業・情報共有で仕事の効率アップ

 将来性があるのは、そのサービス分野も同様だ。企業向けソーシャルネットワークは、現在最も注目を集める成長分野のひとつだ。ちょうどフェイスブックやツイッターと同じような機能を、閉じた社内だけで利用できるようにしたものだが、その利用効果はかなり高い。

 たとえば、このように使う。つぶやきやフィードは、仕事の進捗状況やいいアイデアなどを共有するために流す。利用者を外部の関係者まで含んで、連絡網とか共同作業のプラットフォームのようにして使うことも可能だ。

 また、ファイルを共有することもできるが、その場合は、ソーシャルネットワークのアプリケーションから引き出して、訂正を加え、また戻しておくといったことも可能。これまでならば、データベースに入ってファイルを取り出し、改訂して戻しし、その上でメールで共同作業をする仲間に知らせるといったような手順が必要だったわけだが、そうした面倒なしにすべてがソーシャルネットワーク上でできるのだ。

 さらに、社内で経験や知識を持っている別の社員を探したり、質問を投げかけたりも簡単にできる。売上データや顧客管理関係の記録などをここに統合することもできる。