一方、日本ではこれまでデビットカードの影は薄かった。それにはいろいろな理由が考えられるが、一番はデビットカードはクレジットカードと比べると、消費者への還元メリットが弱かったことに尽きるだろう。

 ところが今話題のキャッシュレスの動きと関連し、デビットカードにも新たな波が起きている。改めて、そのメリットと利用法について述べていきたい。

デビットカード登場時、
なぜ人気がなかったのか?

 まず本題に入る前に、デビットカードのこれまでの歴史をざっとおさらいしよう。

 日本で使われているデビットには2種類ある。1つは、銀行のキャッシュカードをそのまま決済カードとして利用するJ-Debitだ。手持ちのキャッシュカードをJ-Debitの加盟店で提示し、暗証番号を端末に入力すると、代金は銀行口座から即時引き落としされる。手元に現金やクレジットカードがなくても買い物ができる便利さはあったが、使える加盟店がわかりにくいことがネックだったように思う。

 このシステムが導入された1999年以降、2005年をピークに利用者は減少し、この傾向は近年も変わっていない。日銀のレポートによれば、J-Debitの利用先は家電量販店や生損保が多いのだが、特に家電量販店ではクレジットカードで払った時にはポイント還元率が下がってしまうため、現金と同様だったJ-Debitであれば利用しやすかったのだろう。

 ところが、高還元率のクレジットカードや決済アプリとの併用ができるようになったことで、J-Debitの利用メリットは今後いっそう低くなるだろう。つまり、「現金がなくても高額商品が買える」というメリットのみでは、利用機会がなかなか増えなかったのである。

 逆に、このところ勢いを増しているのがもう1つのデビットカード、いわゆる国際ブラント付きデビットだ。VISA、JCBなどのブランドと提携したカードである。2000年代の終わり頃から登場し、発行枚数は毎年増加、取引件数も2014年と比較すると2016年で約2倍になり、同じ2016年のJ-Debitの取引件数の約10倍だ(出典:「日本のクレジット統計2017年版」)。

 このブランドデビットの最大の特徴は、クレジットカードと同様に国内外のブランドマークの付いた加盟店で使えること(一部使えない場合あり)。ネットショッピングの決済にも利用可能だ。そのわかりやすさに加え、口座からの即時引き落としという明快さもある。クレジットカードを持てない層でも保有でき、ほとんどの金融機関で15~16歳から利用可能だ。

 先に述べたようにブランド付きデビットカードの誕生は10年ほど前にさかのぼるのだが、それでもオトク好きなカードマニアの話題になることは少なかった。というのは、クレジットカードに比べ、還元率の低さがネックだったと推察する。

 特に大手メガバンクのブランドデビットは0.2~0.25%程度。ポイント付与ではなく、利用額に対するキャッシュバック方式が中心だ。年会費がかかるところも少なくない。還元率0.5%がデフォルトのクレジットカードと比べるとどうしても見劣りしてしまう。

 ところがその流れは変わってきた。なぜならネット銀行を中心に、魅力的な還元率を打ち出すブランドデビットが登場してきたからである。