米軍のダニエル・マクシェイン少佐(49)は5年間、北朝鮮兵士から折り返しの電話がかかってくるのを辛抱強く待っていた。その電話が鳴る音は、昨年に北朝鮮側からかかってくるまでは一度も聞いたことがなかった。同少佐と米軍中心の国連軍司令部のメンバーは現在、非武装地帯(DMZ)の直通電話を使って1日に2回、約40メートル離れた北朝鮮側と話している。直通電話は2013年から途絶えていたが、朝鮮半島の戦争リスク軽減を目指した南北合意の一環として昨年7月に再開された。ピンク色の古いプッシュボタン電話を使ったコミュニケーションは午前9時半と午後3時半、英語と朝鮮語を交えて行われている。マクシェイン少佐は、北朝鮮側の8人とは野球への思いや自身がファンである米大リーグ(MLB)ドジャースについて話せるほど人間関係を構築できていると話す。