『個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書』の著者による連載の最終回は、部下がモチベーションを高め、目標達成に自律的に取り組むために必要なリーダー像と、2つの打ち手を紹介します。
マネジャーに必要な「真摯さ」とは
連載の最終回は、目標管理(MBO-S)に取り組むリーダーの条件について考えてみましょう。
ドラッカーは、マネジャーの資質は「真摯さ」だと述べています。
私もそれが絶対条件だと信じていますし、折に触れて痛感します。
私の周りで、『もしドラ』を読んだほとんどの人たちが、「真摯という言葉を重く受け止めた」、あるいは「心に響いた」と言っています。
若い人の中には、「生まれて初めて聞いた言葉だが、ものすごく気にいった!」と興奮気味に話す人もいるくらいです。
多くの人が真摯さに共感を抱いている証しだと思います。
真摯とは、「真面目でひたむきな態度」であり、『黒字浮上!最終指令』の著者も、「人間主義経営」というキーワードを用いて、ドラッカーと同様の考え方を示しています
(それも当然です。『黒字浮上!最終指令』はドラッカーのMBO-Sの実践物語なのですから……)。
では、真摯さを職場のリーダーの行動に置き換えると、具体的にはどのような行動をすることなのでしょうか。
私は、以下の2つが大切だと考えます。
1.「Y理論のスタンス」で自分にもメンバーにも接すること
2.メンバーに、「ストローク」を機関銃のように打ち込むこと