リーダーによる「ひと引っ張り」

 連載の第2回では、内発的動機づけ(自分で自分を動機づけること)の一つに、仕事の面白さがあると述べました。
 「あっ、そうだったのか!」という気づきや「やったぁ~」という達成感を味わうことです。

  仕事の面白さは、仕事にのめり込む以外には実感できないものです。
  しかし、そう頭ではわかっていても、ギリギリ背伸びした目標の達成という修羅場に入るのが怖くなり、躊躇する人も稀ではありません。

 そんなとき、リーダーはどうするか。
 「修羅場へのひと引っ張り」をしてあげるのです。

「悩む前に行動しよう!」
 「行動しながら考えて、行動を修正する。そういう仕事のやり方に切り替えよう」
 「逃げてはダメだ。オレがサポートするから、一緒に修羅場に入ろう。そうすれば、仕事の面白さがついてくる」

  そう励ましながら、リーダーはメンバーを修羅場の中に、ぐいっと一歩引っ張り込む。
  これがリーダーのものすごく大事な役割です。

ノルマ管理との違いは?

 研修などで、「ひと引っ張り」の話をすると、決まって「それではノルマ管理と一緒じゃないか?」という、疑問とも非難とも取れるような質問に出会います。