今後世界のモデルとなるのは
日本の自民党と中国共産党

 筆者は、今後の世界は2つの政党がモデルとなるのではないかと考える。1つは、ここまで論じた通り、議会制民主主義国の政党モデルとしての日本の自民党だ。そして、もう1つは、権威主義・全体主義の国々の政党モデルとして、中国共産党を挙げたい。

 中国は、米国の覇権を脅かすほどの急激な経済成長と軍事力拡大を続けてきた(第213回)。そして、中国共産党の一党支配という権威主義的な政治体制が民主主義より優位性があると自信を深めている。それは、「自由民主主義は時代遅れになった」と言い放ったロシアのウラジーミル・プーチン大統領のみならず、アジアやアフリカ、南米に存在する権威主義的・全体主義的な政治体制の国家から、「手本」とされ、支持されている。

 日本の自民党は1955年以降、わずか4年間を除いて政権の座を占めてきた。中国共産党は1949年の中華人民共和国の成立以来、ずっと権力を掌握してきた。長期政権の長さという点でも、ほぼ互角といえる。

 そして、全国津々浦々にネットワークを張り巡らせることで権力を維持してきた政党という点でも共通している。しかし、その方向性は真逆である。自民党は、全国津々浦々に、利益を徹底的に分配することで選挙での票を獲得するシステムだ。

 一方、中国共産党は、情報や利益を中央が徹底的に吸い上げることで権力を維持するシステムだ。中国では、外国のインターネットサービスであるグーグルやフェイスブック等が利用できない情報統制が行われているのはよく知られている。加えて、個人情報については共産党や公安警察が所管する「档案(とうあん)」という個人情報書類に記載され、国民の移転・転職ごとに移転先の党機関に送られる体制となっている。
    
 また、インターネット上でのネット決済などビジネス活動を通じて、個人情報を国家が管理する法律が制定されている。さらにいえば、国営や民間に関わらず企業は、共産党の情報統制や収集に協力する義務があるのだ。