主張系ユーザーが増えたのは
震災のあとから?

 まず、実名でツイッター投稿をしているAさん(40代女性)。彼女の場合、フリーランスで出版系の仕事をしている。実名で政治色の強い投稿をすることに、抵抗はなかったのだろうか。

「ツイッターを使い始めた初期の頃、2008年頃にはまったく考えていなかった。当時のツイッターは『退社なう』『ビールなう』って感じの投稿が多かったし、投稿に『いいね』(以前はファボ)や『RT』が大量につく文化もまだなかったんですよね。

 私が政治についてのツイートが増えたのは2014年頃からだと思います。でも思えば、2011年の東日本大震災あたりから、『真面目なつぶやき』をする人や『自分の主張』を明確にする人が増えた印象があります。

 最初は一部の有名人だけだったのが、だんだん一般ユーザーたちも主張し始めた、という感じではないでしょうか」

 実際に、筆者の周囲でも「震災をきっかけにツイッターを始めた」という人がチラホラいる。聞くと、「緊急時の連絡手段や情報入手のため」というのがその理由だ。

 また、Aさんが指摘する通り、10年ほど前のツイッターでは、今ほど「いいね」や「RT」が大量につくことがなかった。「いいね」や「RT」は基本的に賛意や共感を表すことが多いが、これらの機能を使い、積極的に自分の意志を明らかにする行為は、10年前と比べものにならない。明らかに、昔よりもユーザーが拡散ボタンである「RT」や、共感を示す「いいね」を気軽に使うようになっている。

 拡散されることを念頭に置いてツイートするユーザーが増えたからなのか、それともユーザーの反応が先なのか。これは鶏が先か、卵が先かのような議論だろう。

 いずれにしても、日々の単純なツイートだけではなく、拡散狙いのユーザーが増えたのは顕著だ。このあたりも、政治の話をツイートするユーザーの増加と関連があるのだろう。Aさんは言う。

「最近の傾向として、一方に偏ったことを言えば言うほど、拡散されるしフォロワーがつきやすいというのがあると思います。それはひとえにわかりやすいから。パッと見で、この人はどっちの立場でものを言ってるのかわかる人のツイートが拡散されやすい」

 デマであっても言い切りの断言の方が拡散されやすいというのは、確かにありそうだ。