退任迫る生々しいやりとりは捏造前提? 社長は否定

〈17年12月6日の音声データ抜粋〉 鈴木社長がHDリスク管理業務委託先の男性(前出の動画内では「関係者」と紹介)と会談し、男性から元ナンバー2の告発内容が初めて伝えられた日

HDリスク管理業務委託先の男性 「11月20日の月曜日にね、あのー、××さん(元ナンバー2)が見えましてね、ちょっと深刻な相談があるっていうんで。それで何のことかって聞いたら、そのー、いわゆる内部告発をね、したいんだと」

鈴木社長 「ちょっと」

男性 「ま、社長、冷静に」

社長 「待ってください」

 (中略)

男性 「17年前のことについて(元ナンバー2が)内部告発したいんで、あのー、ま、私も当時関わってたことでもあるし、あの、一応相談をした上で進めたいっていうこともあって」

社長 「17年前って、あの、会長(鈴木社長の叔父の故常司氏)が亡くなった、遺産相続の

 (中略)

男性 「これが表に出るとね、もう、その、ま、極端に言えば、その、ポーラの崩壊につながることなんだから、それは、こう、慎重にね、進めていかなということで、あのー、聞いたんですよ。で、今日、(告発書面を)持ってきましたんで。読む、時間ありますか」

社長 「ああ、はい、大丈夫です」

ポーラ内部告発Photo by Masataka Tsuchimoto

 (中略)

男性 「まあ、明確に申し上げて、あのー、社長には、そのー、職務を降りてもらいたいと」

 (中略)

社長 「だから私が経営から降りるっていうこと

男性 「うん、そう、そう」

社長 「うん。これ(告発書面)はそういうことなんでしょうね」

 (中略)

男性 「当時の、あの、いきさつを知ってる人以外はね。うん。だから、○○さん(当時の秘書室員)でしょ、××(元ナンバー2)、△△(当時の専務)、社長、私と。この5人以外に漏れることがあったら、もう終わりですよ。こういう話は。だからそこで解決しないと」

社長 「うん。ああ、どうするかな

男性 「こんな朝っぱらからとんでもない話で。ね」

社長 「まあ、これは私の不徳の致すところっていうか」

 (中略)

社長 「うん。また、でも、社長の座を退いたとしても、この問題

男性 「やっていきますか」

社長 「この問題、なくなりませんからね

 (中略)

男性 「(民事の時効まで)あと3年ですよ、3年。あっという間ですよ、3年って。うん」

社長 「まあ、会社がいいときに自分が身を退くってのは悪くはないですね」(ダイヤモンド編集部注:17年12月期の業績は薬用シワ改善美容液「リンクルショット メディカル セラム」の大ヒットもあって過去最高益だった)

 (中略)

男性 「3年間、我慢してくださいよ」

社長 「まあ、ちょうどいい退き時かもしれないな。今、ちょっと様子を見るという」

男性 「うん。やっぱり待望論っていうの、いつも出てくるから。社長のカリスマ性、えー、王の資質があるんだから。どこ行ったって何か役員、……(聞き取り不能)……でしょ、そこ。何か。そういうもんですよ。うん。創業家っていうのはそういうもんです。そこで潔さを見しとけば、一つの美学ですよ」

社長 「そういうの、嫌いじゃない

 (中略)

男性 「まあ、社長としては、××(元ナンバー2)が退くっていうのが条件

社長 「僕は、その、会社のためというなら、そういうことです」

〈17年12月11日の音声データ抜粋〉 鈴木社長とHDリスク管理業務委託先の男性との2回目の会談の日