安倍晋三首相(左)ドナルド・トランプ米大統領(右)フランスのビアリッツで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)を機にセットされた日米首脳会談。会談は終始、米大統領のトランプペースだったとされる Photo:AFP=時事

 全ては5月に国賓として来日した米大統領のトランプと首相の安倍晋三との、東京で行われた日米首脳会談にさかのぼる。トランプは会談冒頭で安倍を前に“宣言”した。

「日本との貿易不均衡は信じられないくらい大きい。貿易交渉で8月に大きな発表ができる」

 それからちょうど3カ月。7月の参院選が終わり、トランプが“予告”した8月が巡ってきた。フランスのビアリッツで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)を機に安倍・トランプ会談がセットされた。その結果はどうだったのか──。

 安倍は「ウィンウィン」を強調したが、会談は終始トランプペースだったことは否定できないだろう。異例の首脳会談再設定や、会談の中身を発表する記者会見もトランプペースを反映したものだった。米側からこんな要求が出されたからだ。

「良い話なので両首脳の共同記者発表をやりたい」

 ところが突然の記者会見に日本人記者団が間に合わないというハプニングが起きた。安倍に同行した官房副長官の西村康稔は日本人記者団に頭を下げたようだ。

「正確な説明ができなかった」

 もともと日米貿易交渉は、日本にとってはやらなくてもいい交渉だった。前大統領のオバマのリードでまとまった環太平洋経済連携協定(TPP)からトランプが一方的に離脱したことに始まったからだ。このため交渉入りに同意した時点で日本側の譲歩は織り込み済みといってよかった。