自民党幹事長の鈴木俊一(右奥)、選対委員長の古屋圭司(右手前)との会談に臨む無所属の衆院議員の3氏(左から阿部弘樹、守島正、斉木武志)。自民党会派に合流することが決まった Photo:JIJI
首相の高市早苗を支える自民党と日本維新の会の与党内で軋みが生じている。きっかけは維新を除名された衆議院議員の3人を自民党会派に入会させたことだ。これにより自民・維新の与党は衆院の定数465の過半数に当たる233を確保し、衆院では少数与党の状態から脱することになった。野党が内閣不信任決議案を提出しても否決することができる。
自民党内には「政権の安定につながるエポック」(党幹部)の声が出るが、内実は複雑な様相を示す。自民党の維新に対する「背信行為」(維新幹部)が表面化したからだ。自民党幹事長の鈴木俊一が維新の幹事長、中司宏に3人の自民党会派入りを伝えたのは11月28日。首相官邸で開かれた月例経済報告のための関係閣僚会議。鈴木は隣席が中司という状況を捉えたようだ。しかし、連立の基本に関わるような事柄を話題にするような場ではない。
しかもこの3議員は執行部批判を繰り返し、「党の名誉を傷つけ、規律を乱す行為があった」として今年9月、維新を除名処分された面々。維新の国会対策委員長で首相補佐官でもある遠藤敬にも事前連絡は一切なかった。
「一本釣りをしているという話はあったが、うわさ程度のもので具体的に聞かされたのは中司幹事長が初めて」







