日韓関係について「韓国の行動はけしからん」「日本は毅然と対応すべき」といった感情論がどんどん深まり、今や関係を改善するべきとの言論自体が対韓融和論とみなされるような気配がある。
今の日本の対韓政策には「やられたら、やり返す」といった直截的な論理が支配しているようで、韓国との関係をどうしていくのかという緻密な戦略は感じられない。
なぜ韓国との関係が日本にとって重要なのか、今一度考えてみる必要がある。
朝鮮半島の安定は
日本の死活的利益
日本は朝鮮半島を巡って3度も戦争をした。
豊臣秀吉の時代に6年にわたり行った朝鮮出兵、朝鮮半島の権益を巡り朝鮮半島を主戦場とした日清戦争、そして朝鮮半島の利権拡大を意図したロシアを封じるべく戦った日露戦争。日本はその後、日韓併合を行い、朝鮮半島を直接支配した。