特集「新学閥 早慶・東大・一橋・名門高校」(全19回)の第3回では、東京大学校友会と一橋大学如水会という二つの国立大学の同窓会を取り上げる。起業家という新たなOBネットワークが広がりつつある東大と、140年の歴史の中で度重なる危機を乗り越えて養われた鉄の結束を誇る一橋。その背景にあるものとは何か。(「週刊ダイヤモンド」2019年7月13日号を基に再編集。肩書や数字は当時のもの)
【東大校友会】
広がる東大出身の起業家ネットワーク
OBが起業家の道を本格支援
伝統的な校友会の枠を超えた、新たなOBネットワークが東京大学に広がりつつある。東大出身の起業家たちが、後輩たちの起業を本格支援する動きが始まっている。
東京大学生の就職先の上位には財閥系大企業、官公庁が並ぶ。
東大出身の起業家をもっと誕生させたい。そのために自分たちの経験や失敗をきちんと伝え、後輩起業家の助けになりたい――。
東大出身の起業家数人が中心となって2010年に誕生した「東大創業者の会」では、そんな思いを皆が共有していた。
「ならば、ファンドをつくろう」
アーリーステージの投資で実績を重ねる河西祐太郎・Angel Bridge代表パートナーと共同で、東大出身起業家向けインキュベーションファンド「東大創業者の会応援ファンド」を設立した。
1社当たり500万円と額そのものは大きくない。しかし、「東大出身で起業しようという若手に、気前よく500万円を投資しようというファンド」(河西氏)だ。