三菱・三井・住友財閥グループの真実#2

起業ブームや外資系企業の人気上昇があっても、財閥のブランドは健在だ。しかし、学生からの人気ランキングで銀行が凋落するなど、業界や企業によっては斜陽化しているものもある。(週刊ダイヤモンド2019年7月20日号を基に再編集)

 高給、安定、ネームバリュー ――、財閥企業に勤めることのメリットは枚挙にいとまがない。

 だが、さすがに財閥系企業に入れば安泰という時代は去った。業界によっては学生から見向きもされなくなりつつある。その典型が、かつて人気の的だった財閥系のメガバンクだ。

 かつて就職学生からの人気ランキングで上位を占めてきた三菱UFJ銀行と三井住友銀行が共に順位を大きく落としている。みずほフィナンシャルグループを含めた3メガバンクの中では、僅差ながら、三菱UFJ銀行が他行の順位を上回ったが、どんぐりの背比べ状態だ。

 財閥系メガバンクの平均給与は少なくないし、下がっているわけでもないのだが、それでも順位が下げ止まらないのは、学生が銀行に将来性がないと判断している証拠だ。大リストラのニュースが流れ、低金利の継続と異業種参入で事業環境も厳しくなるばかりなのだから、当然の結果だといえる。

 同じ金融でも損保業界は案外、人気を保っている。三井住友海上火災保険が執念の追い上げを見せるが、ここでも三菱系が底力を見せつけた。