新学閥第10回

連載「新学閥 早慶・東大・一橋・名門高校」(全19回)の第8~13回は地方編。名門大学、名門高校が群雄割拠する首都圏と異なり、地方には地元政官財を牛耳る鉄壁の大学閥、高校閥が存在する。お国柄溢れる各地の最新ネットワークを解剖しよう。第10回は中部編をお届けする。(「週刊ダイヤモンド」2019年7月13日号を基に再編集。肩書や数字は当時のもの)

進む名古屋大学の地位低下
しのびよる「慶應三田会」の影

「大学は名古屋大学だけではない」。トヨタ自動車社内では、豊田章男社長がかつて、新卒者採用の方針にそう異を唱えたとされている。

名古屋大学キャンパス
広大な敷地を持つ名古屋大学キャンパス。中部財界を牛耳ってきたが、異変が起きている Photo:PIXTA

 トヨタのお膝元、名古屋帝国大学を前身とする名古屋大学には、トヨタの公然の秘密として採用枠があるといわれる。何より章男氏の父、豊田章一郎トヨタ名誉会長も名大工学部の出身だ。そして、実際に2018年の大学別採用数ランキングを見ても、名大は40人で東京大学京都大学(各39人)を上回って1位に輝いている。

 ところが、近年、この名大が誇るトヨタへの無類の強さに異変が起きている。