関西電力 炎上!#03
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高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の元助役から関西電力の役員らが3.2億円相当の金品を受け取っていた問題で、関電の収益改善の柱である原発事業が厳しい状況に追い込まれるのは必至だ。特集「関西電力 炎上!」(全5回)の#03では、原発全停止の最悪シナリオで迫る巨額赤字リスクを分析する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

「震災後の4期連続赤字より状況は悪く」
「原発と心中する関電」とやゆする声も

 2011年の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故を契機に、新たに設置された原子力規制委員会は新規制基準を定めた。これにより国内の原発は原子力規制委の安全審査をクリアしなければ、再稼働ができなくなった。

 この影響をもろに食らったのが関西電力だ。関電では発電コストの安い原発が発電電力量の半分を占めるほど原発依存度が高かった。

 代替電源として、原発より発電コストが高いLNG(液化天然ガス)火力発電所や効率の悪い老朽発電所を稼働させたことで燃料費が上昇し、収益を圧迫した。

 その結果、関電は12年3月期から4期連続で970億~2430億円もの最終赤字を計上した。15年3月期の自己資本比率は13.4%まで落ち込み、“危険水域”のラインとされる10%に迫った。

 13年と15年に電気料金の値上げを実施し、ようやく16年3月期に最終黒字を確保した。その後は4期連続最終黒字を続けてきたが、再び窮地に追い込まれる。

 関電の八木誠会長(10月9日付で辞任)や岩根茂樹社長を含む役員ら20人が06年から18年の間に、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から総額3.2億円相当の金品を受け取っていた問題は、関電の信頼を失墜させ、経営面への影響も免れない。

 原発が収益改善の柱である経営スタイルは変わっていないのに、今回の事件によって原発の先行きが厳しいものとなった。

 電力業界関係者は「下手をすると、震災後に4期連続で最終赤字になったあの頃より状況は悪くなるかもしれない」と指摘、「原発と心中する関電」とやゆする者もいる。

 原発マネー還流問題が大きく影響し、関電を襲う三つの崩壊リスクを分析しよう。この最悪のシナリオは「原発全停止」である。