規模だけではない
「チームトヨタ1600万台」の意味

  トヨタはこの難局にどう挑もうとしているのか。

 トヨタが目指しているのは、CASE時代が本格的に到来して車の価値が根底から覆ったとしても、モビリティー業界のプラットフォーマーとして君臨し続けることである。

 車の開発、製造、販売がビジネスの主軸だった完成車メーカーは、既存のビジネスで世界標準を取ることはもとより、それに加えて、ITジャイアントなどが手がける「サービス・ソリューション・プロバイダ」に領域を拡大させて、モビリティー領域の覇権を握ろうとしているのだ。

 例えば、トヨタがハイブリッドシステム(ハードウェア)に、モビリティサービス(ソフトウェア)を加えた「ソリューションビジネス」で覇権を握ろうとしたならば、販売台数という“固定票”を持つ味方の存在は貴重だ。目下のところ、トヨタは資本戦略を駆使しながら“チームトヨタ”の結束を強固なものにしている。

 今年9月には、トヨタはSUBARUへの出資比率を20%まで引き上げて持分法適用会社にすると決めた。すでに国内乗用車メーカー8社のうち5社がトヨタと資本関係を締結。それに日野自動車を加えた陣容が「チームトヨタ」である。これで販売台数1600万台分の“固定票”を獲得したことになる。

チームトヨタ
資本関係を駆使して、チームトヨタの結束を強めている

 章男社長は、「資本の論理で傘下に収める考え方では本当の仲間とはいえない。どんな未来をつくりたいのかという目的や志を共有する仲間と提携したい」と言う。

 もっとも、この発言を言葉通りに受け取ることはできない。「チームトヨタ」の一員で居続けるのは生易しいことではなく、常に緊張関係があるからだ。例えばSUBARUの場合、トヨタからの支配力が強まる一方で、SUBARU側にも追加出資が求められている。つまり、電動化などCASE領域の技術をトヨタから譲ってもらうための“フィー”の支払いが必要だということだ。